![]() | 幻色江戸ごよみ 宮部 みゆき (1998/08) 新潮社 この商品の詳細を見る |
面白かったので大事に読んでいたのだけど、とうとう読み終わってしまいました。
ときどき読み終わって欲しくない本ってありますよね。
結末を知りたいけれど、途中が面白くていつまでもこの面白さが終わらないでほしい・・・・
あるいは、話の中の雰囲気があまりに居心地よくてどっぷり浸かっていたいような本。
今回読んだ本はそんな本でした。
これは数年前に(おそらく単行本が出て間もない頃)会社の先輩から
「ええ話やで〜。読めや〜」
と譲り受けた本です。
だけど、まぁ昔から読書家でなかった私は、ずっと本棚の隅に放置して
しまったのです。
先日、ふと目に付いて読み始めました。
この本には江戸の12の季節に合わせた、12の話が収録されています。
迷子が絶えなかった江戸の切ない母心を語った話とか、奉公人の神の話とか・・・・・
何しろ江戸の庶民の、多くは貧しくて慎ましやかな人たちの話です。
怪異な話を織り交ぜたりしながら幻想的な話も多いのですが、
でも話のテーマとしては、人生の機微だったり、人間のどうにもならない欲望だったり、非常にリアルな部分が多い・・・。
しかも話ごとに、娘が主人公だったり、丁稚に上がりたての少年が主人公だったり、かと思えば庶民のどこにでもいそうな母親だったりで、
物の考え方感じ方がバラエティに富んでいます。
語り口も三人称で語られるときもあれば、一人の人間が思い出しながら語るようなものもあり、それこそその人の目の前で聞かされているかのような気持にさせられるようなものもありました。
切ない話がちょっと突き放した感じで淡々と語られるので、なおさら切ない気持が伝わってくるような気がしました。
ええ、話やな〜。ああ、人間って切ないな〜。
『あやし』もつい先日読んだのですが、やはり同じような印象でした。
![]() | あやし 宮部 みゆき (2003/04) 角川書店 この商品の詳細を見る |
また宮部さんの別の本を読んでみたいと思います。
時代物じゃないものも読んでみたい。



